なんだかんだで、標準キーボードが使いやすくて他のキーボードをあまり試していない @azur256 です。ただ、ちょっと訳あって調べてみました。
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キーボードアプリがフルアクセスを求めてくる
iOS 8用のキーボードアプリを使うためには、各種キーボードアプリにフルアクセスを与えないといけないのですが、これは、多分 iOS 側の仕様。したがって、ユーザはキーボードアプリを使いたかったら、そのアプリのベンダーを信じるかどうか、で決めないといけないのですね。以前、TextExpander 3 をご紹介した時にもフルアクセスを要求されました。
とうとう来た! TextExpander Touch 3 と iOS 8 の組み合わせで入力効率が劇的にアップ!
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この時に TextExpander 3 は使用中には特に不信な通信はなかったとことは確認しました。ただ、アプリのベンダーを信用しろと言われても、中の人を知っていればいざ知らず、普通は難しいですよね。更に私のように通信を確認するような手間をかける人も少数派だと思いますので、できれば Apple さんには許可する権限をもう少し細かく指定させてもらえると嬉しいのですが…
今回は訳あって iPhone の通信をキャプチャする必要がでてきたので、その通信データのサンプルとして2種類のサードパーティイーボードを使ってみました。
一つは英文入力時に記号入力などがとても便利になるという ai.type keyboard
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カテゴリ: ユーティリティ
販売元: ai.type Ltd
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そしてもう一つは皆が気にしている Simeji(シメジ)にしてみました。
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カテゴリ: ユーティリティ
販売元: Baidu Japan Inc.
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通信しているから悪いというわけではない
今回は、通信データの解析はしていません。単に通信が出ているかどうか、ということだけを見ていますが、アプリ自体を特定して通信を確認しているわけではなく、通常出ている通信とは違う通信が出ているか、という見方をしているだけです。また、通信するタイミングが今回モニタリングしたタイミングと異なる場合があったり、あるいは、キャプチャを見落としていたりする可能性がありますので、ここから先に書いてあることは、何かを保証するものではなく一事象について記載いているものとご理解ください。
まずは、ai.type keyboard を使いながら通信もモニタリングしてみました。
必要ない通信しそうなものはなるべく切った状態にしたのですが、それでも一部の通信は勝手に流れています。
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流れているデータは全て Akamai や Apple のアドレスへの通信だったので、ひとまず安心して良さそうです。
次に、 Simeji を使って同じようにキャプチャしてみました。
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こちらも同じように Apple や Akamai への通信はあったのですが、それ以外に 119.63.198.0/24 というネットワークに対して通信をしていました。このネットワークを WHOIS で調べてみると「百度株式会社 (Baidu, Inc.)」でした。あまり大きいデータではありませんが、何らかのデータを送信しているようにみえます。そしてサーバからもきちんと応答を返しています。
変換精度向上のための情報収集というもの自体は、私は有っても良い機能だと思います。マイクロソフトの IME (日本語入力) でさえ、誤変換事例の収集のために、データをマイクロソフトに送信させようとしますよね。それで便利になるなら、尚更良いことだと思います。
Simeji が送信しているデータの中身を見ていないので、何とも言えませんがアドレスデータを抜き取って送っているような大きさではないので、変換データなのかな?という気もします。ただ、変換データ = 入力データ なので、例えば書いたメールの本文を全て入手するようなことも可能なわけです(可能性として、という意味で、それをやっているかどうかは分かりません)。
我々自身が受ける恩恵を考えると誤変換データなどは提供したいと思う一方、本当に安全なのか?という不安もあるのは事実。このあたりを第三者によるフィルタリングか監視を経て、安全に必要なデータを提供するような仕組みができると、もっと安心してネットワークを使えるようになりそうですね。
サードパーティ製キーボードが安全か危険か、ということは結論を出しませんが、こういう事実があるということを知った上で利用の判断を皆さん自身でしてもらえたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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