サラリーマンがサラリーマンとして読むべき本
タイトルはセンセーショナルで、フリーになるための本のように見えます。
確かにそういう指南も随所にあるのですが、私の目線では、サラリーマンがサラリーマンたるために必要なことが書かれていると感じます。フリーになるために必要な素養の多くは、フリーのためだけに必要なものではなく、サラリーマンとしても培われていなければならないことがほとんどだと言っています。
本書には「自由に生きる」というキーワードが出てきますが、これは「自ら選択して生きる」という意味で使われています。「自らの選択」、フリーになるために必要なスキルではありますが、このスキルはサラリーマンのベーシックスキルだと思っています。そのため、本書でフリーになるために準備すべき、と言われていることは、サラリーマンが良い仕事をするために必要なことばかりです。
いくつかの例を引用してご紹介します。
なにも考えないというラクな選択の代償は、「あなた自身の人生を放棄する」という、とてつもなく大きく致命的なもの
(P.78)
この文章は群れの弊害について書かれている中からの一節なのですが、流されるのではなく自ら判断することはとても重要です。右へ倣えではなく、例えば長いものに巻かれるのも自らの決断で行うことはサラリーマンとしても当たり前に要求されます。
トヨタでは、ルーチンで誰でもできることを「仕事」とは呼ばず「作業」と呼んで区別します。自分の頭で必死に考え、付加価値をつけ、他の人にはできないことだけが「仕事」なのです。(P.93)
サラリーマンの日々の活動には、ここでいう「作業」もあれば「仕事」もありますが、良くあるのが「仕事」を「作業」として片づけようとすること。不幸にもそれで上手くいってしまうと、次も「作業」としてこなそうとして「仕事の質」がどんどん下がっていく。これは当たり前の話で「作業」は効率を求めるべきものであり、「仕事」は質を高めるべきものなので、相容れるわけがない。こういう基本的なことも自覚すると大いに成果が変わってきます。
「言われたからやる」という姿勢で仕事をすれば、結局は会社のためにはなっても自分の将来には何の役にも立っていないということになってしまいます。(P.117)
正直言えば、自分のためどころか会社のためになっているかも疑わしい。理由は言われ仕事は先ほどの「作業」に成り下がることが常だからです。
22 EXCUSE
すべての結果は自分の意思で招いている。(P.184)
仕事においては、予期せぬ外圧によるものもあると思いますので「すべて」とは言い過ぎかもしれません。しかし、その外圧を予見できていれば、そのための準備ができていれば、ということがあるのであれば、準備不足という自分の問題になるわけです。そう考えて仕事をするとどんどん良い成果が上げられることでしょう。それにしても、このルール 22 の EXCUSE という副題が素晴らしいです。
ご紹介したのはほんの一例ですが「好きなことだけをして食っていく」という状況はサラリーマンとしての成長の延長にあるわけです。ということは、この本はサラリーマンがサラリーマンたるために読むのにも良い本だと思います。独立しても世間に通用する人が自分の同僚として一緒に仕事をしてくれる、こんなに素晴らしい職場はないでしょう。
一人ひとりが自らを高め、フリーになれるような能力を身に付けている同僚が居る、そんな職場を作りたいと以前から思っていました。そのためか、この本を少し違った視線で読んでしまいました。独立なんてことまでは考えていない人も、ぜひ、読んでみてください。
そして最後に。
立花さん、「同志」にしていただいて嬉しいです。ありがとうございます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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