お店の中での時間は別世界
札幌から20分くらい歩くとお目当てのお店「金寿司」がありました。知らなければ見逃してしまいそうな佇まい。この時はまだどんなお店なのかよく分からず、不安と緊張でのれんをくぐらせていただきました。
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屋外が快晴だったため店内に入った時にとても暗く感じました。最初は目が慣れないからかと思っていたのですが、そうではなく全体的に明かりを落として営業されていました。少し明かりが落とされた店内、全員がカウンターに向かって大将との会話を楽しみながらそれでいてうるさくなく、非常に緩やかに空気と時間が流れている空間に入り込んだ気分です。
心地よい気分でのどの渇きをビールで潤していると、突き出しが運ばれてきました。つぶ貝のひもの煮付けだそうです。柔らかく、そしてしなやかな歯ごたえ、味も濃過ぎず薄過ぎず、本当に良い塩梅です。
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14:30頃にお店に入ったのですがこの日は夜の部もあります。注文は大将にお任せで軽くつまんだ後にいくつか握ってください、とお願いしました。
最初に出てきたのが、解禁されたばかりのエゾバフンウニ。解禁されたばかりと言いながらも大ぶりでしっかりしています。実際に口に運ぶとエゾバフンウニ特有の濃厚な味がフワッと漂います。この味わいは今の時期だからですね。これから先、どんどん味も香りも濃厚になっていくのでしょう。あと2ヶ月後にもう一度食べたい。
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刺し身はしめ鯖と炙りほっき貝。しめ鯖の酢はほのかに感じるレベル。それでいて足りなくもなくきちんとしめ鯖になっている。そのおかげで身も締まり過ぎず柔らかい食感。
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とても肉厚なほっき貝、それなりの歯ごたえかと身構えたのですが、これまた歯ごたえこそあれ柔らかい。炙った部分の食感と香りがアクセントになり醤油もワサビも必要ありません。あ、このわさびも実は美味しかったので、これを舐めながら冷酒をいただいてしまいました。
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ここから握りに入ります。
最初はヒラメ。透き通るようなヒラメ。爽やかな柑橘の香りを楽しみながら塩でいただきました。口に入れてビックリしたのは、こんなに薄いのにものすごく身がしっかりしていて甘い。口に入れた途端にシャリがほどけてヒラメが口の中に残り、しばしヒラメを堪能。この握りはスゴイ。
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次はカツオ、ネタが大きくないように見えますが、絶妙な加減で握られたしゃり故、口の中に入れた後に残るネタの存在感が素晴らしいです。そして、こんなに上品にまとめられたカツオも滅多にお目にかかれない爽やかなカツオでした。
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続いては手割きの帆立貝柱。包丁で割くと繊維の長さが半分になってしまい、かといって、そのままの厚さで握ればやぼったい。手で割いているので貝柱特有の繊維をきっちり楽しめて、やぼったくない絶品の貝柱をいただくことができました。これまたしゃりの柔らかさと貝柱の食感の対比がとても楽しかった。
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ここで中トロ。こんなこと言うと怒られるかもしれないが、私はあまりトロに反応しない。トロよりもヒラメやコハダのような握りが好き。しかし、このトロは凄かった。口の中に入れたあと、食感を楽しんだ記憶がほとんどない。実はネタの下にはワサビではなくツボ漬けを刻んだものが入っている。おかげで食感はすべてそちらに奪われトロの柔らかさが強調される。そしてさっと無くなるつぼ漬けの味わいの後にマグロの余韻が残る。変に脂が口の中に残ることもなく、マグロの味わいだけがいつまでも残っている。
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次はスルメイカ、マグロの後なので何かな、と思ったら、冷酒をがんがん飲んでいる我々に合わせてくれた感じです。スルメイカはしっかり弾力があり瑞々しく、上に乗った青唐みその味と組み合わさり、先ほどのマグロの味が残る口を一転して冷酒の口に戻してくれました。
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そしてつぶ貝。細かく包丁が入っており、食感と歯ごたえの両方を楽しめます。だいぶお腹が膨らんできたところでこのつぶ貝というのは嬉しい。ここであまり重いものが来るとこれが最後の一貫になっていたかも。
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大将としてはつぶ貝で組立終わり、というところだったようですが、もう少しだけ食べたかったので、大将に一番のお勧めを握ってください、とお願いして出てきたのがこちら「平目の黒えんがわ」です。私はお店が信用できると思ったら、基本はお店の人にお勧めをお願いします。それが一番確実だから。
今回のえんがわも最高の逸品でした。肉厚で縁側特有のずっしりとした味わいの中に滋味が溢れます。いやぁ、旨い!
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お会計をお願いしたら、こんな請求書をいただきました。ひとつひとつが粋なんですよね。こういうお店が札幌で良かった、地元だったら大変なことになっていた(汗)
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一緒に行ったたちさん (@ttachi) も絶賛しています。
札幌 金寿司 — 驚きのハイ・クオリティ寿司を 柔和な大将の笑顔と供に食す!! | No Second Life
ご紹介したお店の詳細はこちらです。
札幌から歩くとちょっと距離はありますが、皆さんも機会があればぜひ伺ってください。私は、次に札幌に行く時はまた伺いたい!と思っておりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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